かたつむりはじっとしていることのほうが多いが、
それでも、今年で3年めとなるデンコは、歳をとってきたなぁ・・と思うことが多くなった。
殻も年季が入ってきたし、粘着が弱くなってきたのか、
ケースの下側にいることが多くなった気がする。
大好きなフタに張り付いても、ポトッと落ちてしまったりするのだ・・
そうした年月の経過をふと感じると、にわかに寂しさが湧いてきたりもする。
今日は5月の風が涼しく気持ちが良いので、
でんこたちのケースを窓側に置き、日光浴ならぬ「風浴」をしてみた。
すると、デンコが久々に、のびのびと動きだし、
キャベツの葉の上にたまった水を呑んだりしているのを見て、
ちょっと、ほっとした。
最大2センチにもなる立派な目を、ごきげんの良い時は、ブイブイひろげてゆったりあるく。
デンコのこうした散策のために、葉物野菜はキャベツやレタスなど、
コシが強いものが良い。
長い間世話をしていてわかったが、やはりかたつむりたちは、
とれたての新鮮な野菜が好きなようだ。
それも、綺麗に洗われハーフカットでラップにつつまれているようなものではなく、
上側の葉もしっかりついて、泥がついているくらいのものが良い。
できれば産地にもごだわりたいが、しかし、そうした野菜をスーパーで見つけるのは結構大変だ。
だから、週一宅配で届く、低農薬・無農薬の新鮮な野菜の中に、
例えばデンコの故郷、長崎産のレタスや、
コデンコの故郷、奈良県産の小松菜が入ってきたりすると、2倍嬉しく感じる。
(我が家のかたつむりたちも、この箱に入って、はるばるここへやってきた)
彼らも生まれた土地の味と香りのするものに、ほっとするのではないだろうか・・
一方で、農家の人たちにとっては、かたつむりはただただ邪魔な存在であるから、
見つけ次第、ピッと潰されてしまうという話を、最近聞いた。
それはそうだろうよ・・と思いつつ、なんとも胸が締めつけられる話であったのも事実。
3年近くも一緒に暮らせば、かたつむりたちも立派な「家族」である。
よくぞ見つからずに、我が家へやってきたねと、あらためて出会いに感謝した。
コデンコは昨日から、まだ、キャベツの葉の裏でじっとしている。
デンコと比べると、成長してもやや小柄なかたつむりだが
(きっと種が違うのだろう、出身もコデンコは奈良県、デンコは長崎県である)、
まだまだ若く、食欲も旺盛で、殻もつやつやしている。
この2匹を見ているだけでも、かたつむりにもいろいろあるのだなと、
しみじみ思ったりする。
しっとりとした梅雨が終われば、
また、暑い夏がくる。
夏をどう過ごすかは、かたつむりも、猫も、人間も、
年を取るごとに、大切な課題となってくる。